【#店舗オーナー】カフェと暮らしの雑貨店fumi〈後編〉ヤマカワコーヒーとの出会いと、これから目指す店づくり
長野県諏訪市にあるカフェと暮らしの雑貨店『fumi』の村上 信之さん(通称:のぶ)・智美さん(りっきー)ご夫婦へのインタビュー【後編】です。今回はヤマとカワ珈琲店との出会いや今後の展望などのお話しをしてきました。
【前編】はこちら↓↓
【#店舗オーナー】カフェと暮らしの雑貨店fumi(前編)
カフェと暮らしの雑貨店fumi
住所:長野県諏訪市末広5−7
Instagram コチラ
『コーヒーへのこだわりとは』
川下:それじゃ、後半戦。ちょっとコーヒーって、淹れてもらってもいいっすか?
りっきー:はーい
川下:いただきまーす。あ、おいしい!
りっきー:あ、良かった
のぶ:おいしいねー
川下:おいしいね。ちなみに豆何グラムで淹れてるの?
りっきー:15グラムですね
川下:やっぱりちゃんと使ってるね。美味しいね。ありがとう。じゃあ後半は、コーヒーのことについて聞きたくって。そもそも、fumiのお店を作っているっていう段階で「コーヒーを使いたい」って連絡をくれてたでしょ。なんでうちを選んでくれたんでしょう?
のぶ:康太さんに話すのもなんですけど、、。最初、候補が2つあって。ヤマとカワと、もう一つがオオヤコーヒー。やっぱりオオヤコーヒーもいいよねっていう話をしていて
川下:オオヤさん、いいよねえ
のぶ:まあ間違いないよね、みたいな話をしていて。ただ、同じ諏訪市でブルーラインガレージカフェがオオヤコーヒーを使ってたり。松本市では栞日で飲めたり。ってなると、ちょっと違う色んな豆が飲めた方がお客さんも嬉しいかなってなって。それでヤマとカワは長野市だから、あ、程よい距離だなって
川下:確かにね
りっきー:美味しいのは分かっていたので、いいよねって。あと、相談しやすそうだなっていうのとか
川下:そういうの、結構大事やよね。話しやすいの大事
のぶ:直接会ってお願いしに行ける距離とかもあったかな。お人柄とかは分かっていたし、焙煎している方の顔が見えるのはすごく大事だなと思っていて。個人的には康太さんのブログを読んだりとかもして
川下:うんうん
のぶ:お客さんが諏訪で知って、長野市に行くときにヤマとカワに寄ってくれたり。逆にヤマとカワでfumiを知って、諏訪に来てもらえる。程よい距離感って大事だなって
川下:そうだねえ。うちのお客さんもfumiに行ってる人多いし。確かにね。程よい距離やね
fumiのチョコレートケーキとコーヒーのセット
のぶ:あとは、小ロットでもオリジナルブレンドの対応をしてもらえたのも大きかったですね
川下:なるほど。オリジナルブレンドを作りたいっていう思いは最初からあったの?
のぶ:ありました。自分たちのお店で、特別に作ってもらったコーヒーをお客様に飲んでもらうっていう、ちょっと自己満足なのかもしれないですけど
川下:うんうん
のぶ:何種類かの豆を用意しようかとも思ったんですが、『fumi』を楽しんでもらうっていうならブレンドの1種類だけでいいんじゃないかなって。僕たちはこういうコーヒーが好きで出してるんです、って
川下:そうだね
のぶ:その方がケーキの味も合わせやすくて。このコーヒーの味に合わせるならって考えた方が自分たちも作りやすい
川下:味のイメージも最初からできてたの?
のぶ:ちょっと落ち着くような店内にしたかったので、ゆっくり楽しんだりとか、なんならお手紙を書き始めたりとか、そういう時間の過ごし方をしてほしかったから、コーヒーもどっしりした味で冷めても変な酸味がでない味がいいなと
川下:なるほどね。いいね。やっぱりオリジナルブレンドを作るのって、すごく大事なことを任せてもらえてる感じがするしね。作ってる過程でコミュニケーションを取らなきゃいけないから、お互いの事とか分かるようになるし、すごく良い事やよね
のぶ:あとは、ドリップとエスプレッソ兼用で使ってるので
川下:あ、そうだそうだ。その辺も聞きたいんだよね。fumiにはエスプレッソもドリップもあるでしょ。けっこうエスプレッソってハードルが高いイメージなの。コーヒー専門店ならまだしも、カフェではあんまり置いているところがない気がするんだけど、そこら辺のこだわりは?
エスプレッソマシーンで淹れたカフェラテは絶品
画像提供:fumi
のぶ:自分はずっとエスプレッソ育ちなんです。初めて働いたところにエスプレッソマシーンがあって。エスプレッソとかバリスタっていう職業に興味を持って、なんだろうな…旨みを凝縮している感じが好きで
川下:うんうん
のぶ:カプチーノが凄く好きだったんですよ。ミルクもすごく好きで、かと言ってカフェオレとは全然違うなって
川下:違うよねえ
のぶ:本当に、ミルクの甘さがちゃんと感じられて
川下:コーヒーの旨みもちゃんとギュッとしててね
のぶ:そうそう、コーヒー感もしっかり味わえてっていうのがすごい良くて。それでエスプレッソはずっとやりたいって思っていて
川下:うん
のぶ:エスプレッソとドリップを同じ豆を使っているのは、淹れ方で味の違いを感じられるので、コーヒーの面白さを分かりやすく体感できるかなぁって
川下:確かにね。じゃあでエスプレッソとドリップで2種類注文する人もいる?
のぶ:2人で来て、コーヒーとカフェラテ、とか
川下:うんうん、そのパターンはありそうやね
のぶ:この近辺で個人店でエスプレッソマシーン使ってるところがほとんど無くて、先駆けにできたらいいなってのもありました
『お店の質が上がって、暮らしの質も上がる。そんな仕組みづくり』
川下:fumiがオープンして2年経って、まだ2年だからやりたいことはたくさんあると思うんやけど。スタッフさんも加わって、りっきーにもフリーな時間ができて、、、。なんとなくこれから5年後、10年後を見据えたときに、思い描いている構想とか、こんな風になったらいいなとかってある?
のぶ:10年後はまだちょっと考えられないですけど、5年後は、もう少し落ち着いたお店にしたいなって。今はバリバリとランチやったりしてるんですけど、そういうのをちょっと減らしていくなり、もう少しゆったりとしたお店にしようかなっていうのはなんとなく考えてるかな
川下:それは営業時間を減らしたりってこと?
のぶ:そうですね。営業日数を減らすとか
川下:そ、それはここで言っていいものなの?どうしましょうかね。まあそれはあとで決めましょうか笑
のぶ:…そうしましょう笑
川下:なるほどねー。自分たちの年齢も上がっていくしね
のぶ:そうですね。もう少し敷居の高いお店にしたいっていうのもあって。少し年代が上の人も楽しめるようなものとかを少し増やしたりとかして
川下:うんうん
のぶ:それでもう少しこう、ゆったりしてもらえるようなお店に、ゆくゆくはしたいなって。その分、お菓子の物販とかで採算は取れるようにとかしていきつつ。働き方とか暮らし方も、考えていきたいですね
りっきー:ゆとりのある生活というか、まだお店を始めてから落ち着いたねっていう感じはなくて
川下:そうやよねえ
りっきー:休みの前とか忙しくて、日中仕込みができなかったりすると夜遅くまで仕込みをしてたりとかして、2人の時間がどうしても取れなかったりして。そういうのも改善できたらいいなあ、とか
のぶ:そこをうまくスタッフに仕事を振れるようになって、ちゃんと暮らしの質を上げたいなあ。お店の質が上がって、暮らしの質も上がるような、そんな仕組みを作りたい
川下:いやー、そうやよねえ
のぶ:1年目は自分は本当に時間なかったんで。今年になってスタッフが入って、仕込みをある程度任せていて。お菓子の開発もその子と2人でやったりしていて、だいぶ負担が減ってきて
川下:うんうん
のぶ:なので、キャンプ熱が笑
川下:キャンプ熱!いいねえ。でもそういう趣味の時間ていうのも、fumiの色に加わってくるやろうからさあ。まあ自営業ってそういうのですっごいメリットあるよね。何やっても絶対仕事につながるしね。趣味の時間も新しい色として増やした方が絶対メリットあるやろうしね。俺もコーヒー屋をやってるけど、コーヒーのことだけをやってちゃアカンなってずっと思ってて。それだけやとお客さんがすごく狭まってくるから。外に出て行く時間も大事にしなくちゃやよね
のぶ:そうですよねえ。自分たちの暮らしが充実していないと、暮らしを豊かにするお店は作れない、みたいな、そういう言葉あるじゃないですか
川下:うんうんうん
のぶ:そういうのをすごく痛感するなって。やっぱり疲れてるときは、いつものプラスアルファの接客ができなかったりとか
川下:そりゃあそうでしょう
のぶ:料理ひとつ取っても、ひっどい疲れた顔をして仕込んだものより、気持ちに余裕があるときに作ったものの方がきっとお客さんも嬉しいので
川下:やっぱり長く続けるっていうことで見たら、できるだけ自分の負担を分散させるようにしないといけないよね。『長く続いている』ていうのでブランドが築き上げられていくしね。ちょっとずつ削るっていうのは、良いことな気がするけどね
のぶ:そうしたいよね
りっきー:なんか考え方似てるかも、のぶと康太さんは
のぶ:まあ基本的に効率人間だから。効率とかお金とか経営とか
川下:わかるわかる、すごい分かる。でもなんか、その…
のぶ:効率じゃない所もあるんだよな、こういう仕事って
川下:そう、そう、そうなんだよ!
のぶ:効率を求めてるだけじゃお客さん離れちゃうし
川下:本当にそうなんだよ
のぶ:だからそのバランス…だからやっぱりりっちゃんにはお店に立っていてほしいんですよ、ある程度の時間
川下:分かる、俺もそれずっと奥さんに言ってる。経営の部分を知ってると、効率に繋がっちゃうんだよ。そこまでのサービスっていうのを、できなくなっちゃうんだよ
のぶ:そうそうそう
川下:だから経営の部分を知らない、見返りを求めずに心からの接客っていうのをできる人がお店に立ってる方がいいんだよ
のぶ:そう。すっごい分かる
川下:そう。あとやっぱり「仕込みやらなきゃ」っていうのを頭の片隅にありつつ接客するのもちょっと違うもんね
のぶ:そうですね
りっきー:前はだけど、小さいお子さん連れの方が来た時、ご飯も食べられないだろうから「食べる間抱っこしますよ~」とかしてたりしてて
川下:あ、すごいねー。絶対そういうの、お客さん嬉しいと思う。それこそさあ、『fumi』が好きになるよね。たまたま見つけたっていう人でも、あそこでああいう風にやってくれたなあって
のぶ:お陰様でね、認知度とファンも増えていっているところだと信じてるので、これからそれを長いファンに繋げられるような、お客様ともうちょっと密に関われるような機会を来年くらいは色々と打ちたいなと
川下:うんうん
のぶ:まあコロナでどうなるかは分からないですけど、何かしらのイベントをポツポツやりつつ、お菓子の販売も始めつつ、っていう感じで徐々に模索しながらやりたいですね
川下:そうだねえ。でも、楽しみだね。これからの新しい変化を、楽しみにしてます。今日は長い時間ありがとう!
photo:古厩 志帆