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【コーヒー粉の壁(土手)】ドリップの時は崩すべきなの?味の違いを解説します!

【コーヒー粉の壁(土手)】ドリップの時は崩すべきなの?味の違いを解説します!

ハンドドリップの時、コーヒーの粉にお湯をかけるとモコモコ……と膨らんで、コーヒーラバーなら誰もがときめいてしまう(?)至福の時が訪れますね。
今日はそんなハンドドリップのテクニックの中でも、コーヒー粉の壁(土手とも言います)に焦点を当てて、壁(土手)の有無による味の違いを解説します。

この記事を読めばよりいっそうコーヒーが楽しくなって、コーヒー粉の壁は崩すべきかどうかを理解できて、あなた好みのコーヒーを淹れられるようになりますよ。

コーヒー粉の壁(土手)とは

コーヒー粉の壁(土手)とは、コーヒーを蒸らして粉が膨らんだ後、中央にお湯を注ぐと周辺に残るコーヒー粉の層のことを指します。

蒸らしの際にコーヒー粉が膨らむのは、焙煎度が深い豆の場合です。焙煎度が深ければ深いほどコーヒー豆の中に炭酸ガスが発生するので、蒸らしの際にガスが放出されてモコモコと膨らんでいくのです。

浅煎りの豆や焙煎してから時間が経った豆では炭酸ガスが発生していなかったり抜けていたりするためコーヒー粉が膨らみにくいので、壁(土手)も出来にくいです。

ちなみに、コーヒーを買うと豆(粉)の入った袋がパンパンに膨らんでいることがあると思います。これも炭酸ガスが抜けたことによって起こる現象なんですよ。

コーヒー粉の壁(土手)を崩す場合と崩さない場合の味の違いを解説

それではいよいよ、コーヒー粉の壁(土手)を崩す場合と崩さない場合の味の違いを解説していきます。

コーヒーを美味しく淹れるにはコーヒー粉をまぁるく膨らませて、いかに壁(土手)を崩さずにモコモコをキープさせながらお湯を注ぐかが大事、という風潮もほんの少し前までは根強くありましたが、昨今では壁(土手)を崩して全体にお湯をかける方法も浸透してきました。

それぞれの味の違いを知って、自分好みの味わいのコーヒーを淹れられるようになりましょう。

コーヒー粉の壁(土手)を崩す場合の味の特徴

コーヒー粉の壁(土手)を崩す場合のやり方は、蒸らしで全体にお湯をかけた後、大きく「の」の字を描くように粉全体にお湯を注ぎ続けます。ドリッパーのキワまでお湯をかけて、フィルターについてしまった粉を落とすようにしても良いです。
このやり方ではお湯の勢いでコーヒー粉を撹拌させるようにドリップをする人もいます。

【コーヒー粉の壁(土手)を崩す場合の味の特徴】
コーヒー粉とお湯が触れ合う面積が多くなり、コーヒーの成分がよく溶け出し濃く抽出されます。
コーヒーの持つポテンシャルを全て味わえる一方で、雑味が出やすいという欠点もあります。
また浅煎りの豆は比重が大きいためドリッパー内で粉が沈みやすいです(膨らみづらい)。なので壁を崩すように勢いよく注ぐとしっかりした味わいが表現できます。

【コーヒー粉の壁(土手)を崩すのがおすすめな人】
・コクのあるコーヒーが飲みたい人
・品質の高いコーヒー豆を買っている人
・焙煎度の浅いコーヒー豆を使っている人

コーヒー粉の壁(土手)を崩さない場合の味の特徴

コーヒー粉の壁(土手)を崩さない場合のやり方は、蒸らしで全体にお湯をかけた後、モコモコと膨らんできたコーヒー粉の中心部分に目がけてていねいにお湯を注ぎます。お湯の太さは細めの方が、勢いがついてしまって壁(土手)を崩してしまう事故が起きにくいでしょう。
コーヒー粉の中心部のみに細くお湯を注ぎ続けても良いですし、抽出が進むにつれ、小さく「の」の字を描くようにお湯を注ぐ範囲を広げても良いです。ドリップのコツはあくまで「中心」を狙ってお湯を注ぐことで、あまりドリッパーのキワまでを狙いすぎると、壁(土手)が崩れてしまいます。

中心に注ぐだけでOKな理由はコチラのブログで紹介しています↓

【コーヒーの知識!ドリップする時は真ん中に注ぐだけでOKなの?!】

 

【コーヒー粉の壁(土手)を崩さない場合の味の特徴】
コーヒー粉の壁(土手)が濾過層となるので、雑味の少ないクリアなコーヒーが淹れられます。
お湯とコーヒー粉が触れ合う面積は狭くなるので濃度は薄くなります。濃く淹れたい場合は中心にゆっくり注ぐことで濃度を調整する必要があります。
コーヒーを淹れてみて「雑味が気になるな」と思ったときは、壁(土手)を作ってドリップしてみると良いでしょう。

【コーヒー粉の壁(土手)を崩さないのがおすすめな人】
・クリアで雑味の少ないコーヒーが飲みたい人
・焙煎度の深いコーヒー豆を使っている人
・ネルドリップを行っている人

ネルドリップでコーヒー粉をたっぷりともこもこさせて、膨らみを維持しながら中心にお湯を注ぎ続ける淹れ方はロマンがあります。

まとめ:好みに合わせてコーヒーを楽しもう

ここまで読んでくださった方はお気づきでしょうか?
この記事ではコーヒー粉の壁(土手)を「崩すべき」とも「崩さないべき」とも断言していません。どちらにもそれぞれ味わいの特徴があり、その違いを知ることこそが大切だと考えているからです。
コーヒーは嗜好品で奥が深く、楽しみ方に「正解」はありません。強いて言うならば、あなたが美味しいと思うコーヒーが「あなたにとっての正解」なのではないでしょうか?

・気分に合わせて
・コーヒー豆の種類に合わせて
・ペアリングするフードに合わせて

そのときどきで、コーヒー粉の壁(土手)を作ったり作らなかったり、淹れ方を使い分けてコーヒーを楽しんでもらえたらと思います。

〈執筆:山下まあや、監修:ヤマとカワ珈琲店〉

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