【コーヒーの知識】ディカフェの豆は新鮮でも膨らみにくいのはナゼ?膨らまないと味に影響はあるの?

【コーヒーの知識】ディカフェの豆は新鮮でも膨らみにくいのはナゼ?膨らまないと味に影響はあるの?

コーヒーが飲みたいけれど、カフェインは制限しなければならない、そんな時しばしばありますよね。

・妊娠や出産などのライフイベント
・健康上の理由
・夕方以降や寝る前など睡眠を妨げたくない

このような時に選ばれるのが、ディカフェのコーヒーだと思います。

ヤマとカワ珈琲店でもデカフェのコーヒー豆を扱っており、多くのお客様に愛飲していただいております。

今日はそんなデカフェに焦点を当てて、「そもそもデカフェとは?」という疑問や、デカフェをドリップする時に感じる「なんだかコーヒーが膨らまない」という不安について解説していきます。

デカフェとは?特殊な技術でコーヒー豆からカフェインを取り除いたもの

「デカフェ」または「カフェインレス」コーヒーとは、元々カフェインが入っていないコーヒーの種類があるのではなく、特殊な技術を使ってコーヒーからカフェインを取り除いたもののことを言います。

お店によって「ディカフェ」と「カフェインレス」を厳密に呼び分けていたり、あまり意識をされていなかったりと差異があるようですが、ヤマとカワ珈琲店では「ディカフェ(デカフェ)」と呼んでいます。

現在日本で流通しているデカフェの製法は3種類あります。
・スイスウォータープロセス
・マウンテンウォータープロセス
・超臨界二酸化炭素抽出法

ヤマとカワ珈琲店で扱っているデカフェの製法は1番目の「スイスウォータープロセス」という製法のものです。

スイスウォータープロセスでは
① コーヒー生豆(焙煎する前のコーヒー豆)を水に浸け、カフェインを含むコーヒーの成分を溶け出させる
② ①の液体を濾過してカフェインのみを除去する
③ ②の液体にコーヒー生豆を浸けてカフェイン以外の成分を生豆に戻す
④ カフェインが規定値以下になるまで①〜③の工程を繰り返した後、生豆を乾燥させる

このようにしてカフェインを除去しています。

カフェインの除去には水のみを使い、カフェイン以外の成分はコーヒー生豆の中に残っていますので、安心しておいしいデカフェのコーヒーを作ることができます。

ドリップ時にコーヒー豆が膨らむ原理

「デカフェのコーヒーが膨らみにくい理由」の前に、そもそも「コーヒーが膨らむ」とはどういうことなのかを先に解説します。
(ご存知の方は読み飛ばしてください)

コーヒーが膨らむ理由には、「炭酸ガス」が大きく関わっています。

コーヒーを焙煎すると、コーヒー豆の中に炭酸ガスが生まれます。
炭酸ガスが充分残った状態のコーヒー豆を挽きドリップのお湯をかけると、コーヒー粉から炭酸ガスが放出されて粉がもこもこと膨らむのです。

焙煎による炭酸ガスは、焙煎度が深くなればなるほど増えます。
なので、深煎りのコーヒー豆は膨らみやすく、浅煎りのコーヒー豆は膨らみにくいです。

また、炭酸ガスは焙煎からの時間経過により自然に放出されていきますので、深煎りのコーヒー豆でも焙煎日から時間が経ってしまったものは膨らみにくくなります。
炭酸ガスの自然放出は、コーヒーを挽いて粉にすると早まりますので、粉の状態でコーヒーを購入すると、焙煎日からあまり日が経っていなくても膨らみにくいことが多いです。

デカフェの豆が膨らみにくい理由

さて、いよいよ本題です。
デカフェのコーヒー豆は、深煎りでもカフェイン有りのコーヒーよりも膨らみにくいと感じられる方が多いと思います。

デカフェのコーヒーが膨らみにくい理由は
①カフェインを抜く処理の中で、「膨らみを生む成分」も一緒に抜けてしまっているから
②カフェインを抜く処理をすることで細胞壁が脆くなり、焙煎をすることでさらに損傷してしまう。それにより炭酸ガスが抜けやすい状態になっているから

このふたつが考えられます。

①についてですが、焙煎をすることで「炭酸ガス」が発生するとご説明しました。
しかしこの「炭酸ガス」の生まれる元となる成分が、カフェイン除去の過程で減少してしまい、炭酸ガスの生成に影響を及ぼしている可能性が考えられます。
そのため、デカフェのコーヒーでは通常のコーヒーよりも炭酸ガスが発生しにくくなると考えられています。

②についてですが、カフェインを抜く処理の中で、コーヒー生豆を水に浸し、乾燥をさせます。そうすることで、コーヒー生豆の細胞壁が脆くなってしまうのです。
焙煎により細胞壁は更に破壊されます。
つまり、豆のままで買ったとしても、デカフェの焙煎豆は「挽いた豆に近い状態」になっているのです。
壊れた細胞壁の隙間から炭酸ガスが抜けやすいため、通常のコーヒー豆よりも炭酸ガスが抜けるスピードが速くなります。

まとめ:コーヒーの膨らみは新鮮さの「目安」のひとつに過ぎない

コーヒーが膨らむには「炭酸ガス」が関与していることがわかりました。
炭酸ガスは、焙煎度が深くなればなるほど発生しやすくなります。

一方で
・浅煎りのコーヒー豆は炭酸ガスが少ない
・デカフェのコーヒー豆は膨らみにくい
・コーヒーを粉で買うと炭酸ガスが早く抜けやすい

など、新鮮なコーヒー豆でも膨らみにくい場合がさまざまな状況で発生します。

コーヒーがモコモコと膨らむと楽しいものですが、おいしさや新鮮さは膨らみだけで測ることはできません。
コーヒーの膨らみは新鮮さの「目安」のひとつにはなりますが、膨らまないからといっておいしくないコーヒーだというわけではないのです。

コーヒーが膨らまなかったからといって心配せずに、デカフェをはじめとするさまざまなコーヒーを楽しんでいただけたら幸いです。

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〈執筆:山下まあや、監修:ヤマとカワ珈琲店〉

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