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1杯のコーヒーができるまで/年に一度、みんなで集まる日。ヤマとカワ全体研修レポート

1杯のコーヒーができるまで/年に一度、みんなで集まる日。ヤマとカワ全体研修レポート

ヤマとカワ珈琲店では、長野市・伊那市に店舗があり、焙煎は標高1,100mの高原地帯・開田高原にある焙煎所で行っています。
普段はそれぞれの場所で働くスタッフたちが、年に一度だけ一堂に会する——それが、「全体研修」の日です。

昨日、その年に一度の研修を行いました。
画面越しのやり取りが多い中で、こうして顔を合わせて過ごせるのは本当に貴重な時間。
今回は、そんな1日の様子を少しだけお届けします。

開田高原に集合して、まずはみんなで昼ごはん

研修の舞台は、御嶽山のふもとにある開田高原の焙煎所。
標高1,100m、空気が澄んでいて、空がとにかく広く感じる場所です。

長野店のスタッフは朝早くから車で約3時間、伊那店からは1時間ほど。
それぞれ距離は離れているけれど、「この日だけは」と、みんなが集まってくれました。

まずは全員そろって昼ごはん。
普段はチャットやPCの画面越しでやり取りしている仲間たちが、同じテーブルを囲み自然と笑顔がこぼれます。

そしてこの日は、スタッフの家族も一緒に来てくれました。
久しぶりに会う子ども同士も、あっという間に打ち解けて、元気いっぱい走り回っていました。

「開田高原って、ほんとに気持ちいいところなんですね」
そんな声がスタッフの一人からこぼれました。

普段はあまり来ることのない場所だからこそ、実際に足を運んでもらい、焙煎所のある環境や空気を肌で感じてもらえたのは、とても良かったなと感じています。

ヤマとカワの“味の芯”を知る焙煎研修

午後からは、いよいよ本格的な研修の時間。
全員でヤマとカワの“コーヒーの味の芯”をつくっている、焙煎の工程を学びました。

まずは、生豆のピッキングから。欠点豆や異物を取り除く作業です。
「これは欠点豆かな?」「いや、ギリ大丈夫かも…?」と迷いながらも、みんな集中して作業していました。
普段は見ることのない工程に、「ここまで丁寧にやってるんですね」と驚く声も。

続いては、焙煎機の見学。
g単位・秒単位で細かく調整しながら、火加減や排気を管理していく様子を目の当たりにし、スタッフたちの表情も真剣に。
「いつも店頭に届く豆が、こんなふうに作られてるんだ」と、改めて実感してくれたようでした。

焙煎後のピッキングも体験。
焼き上がったあとの豆も、ひと粒ずつ丁寧にチェックします。こうした工程をすべて経て、ようやく1杯のコーヒーになること。
スタッフ一人ひとりが、自分の目と手で感じられる貴重な時間になりました。

そして今回は、手網焙煎の体験も実施。
小さな焙煎器を直火にかけ、自分の手で豆を煎っていく工程は、思った以上に難しく、でもどこか楽しい時間。

火のあたり具合を見ながら手を動かし、豆がパチパチとはじける音を聞きながら、徐々に色づいていく様子に、「焙煎ってこうやって変化していくんだ」と、みんなじっと見入っていました。

「もっと丁寧に、お届けしたくなった」それぞれの気づきと想い

焙煎の工程をひとつひとつ体験したあと、スタッフから感想を聞きました。

「自分たちが扱っている豆が、こんなにたくさんの工程を経て届いてると知って、もっと丁寧に扱いたいと思いました」
「この1杯の背景をちゃんと知っているって、接客の説得力も変わってきますね」
「丁寧に焙煎してくださる豆を、オンライン・店頭ともにさらに丁寧にお客様にお渡ししたいと思いました」

それぞれの言葉には、現場で働く一人ひとりの気づきと誠実さがにじんでいて、聞いているこちらも背筋が伸びるような気持ちになりました。

最後は、みんなで焙煎したコーヒーを飲みながら、和やかにしめくくり。
「おつかれさまでした!」の声とともに、またそれぞれの場所へ戻っていきました。

 

この全体研修は、単に“学びの場”というだけでなく、
普段離れた場所で働く仲間たちがつながり直す、大切な時間でもあります。

顔を合わせて笑い合えること。
お互いの仕事を知って、リスペクトを深められること。
そんな時間が、ヤマとカワのコーヒーを、もう少しだけやさしい味にしてくれているのかもしれません。