パン屋ソノマノ インタビュー【第3巻】ヤマカワコーヒーとの出会い。そして、これから未来の鬼無里のはなし

パン屋ソノマノ インタビュー【第3巻】ヤマカワコーヒーとの出会い。そして、これから未来の鬼無里のはなし

ヤマとカワ珈琲店の店主カワシタが、コーヒー豆を取り扱っていただいているお店に直接行って話をする企画 『お客さんに会いたくて~卸店編~』。

長野市鬼無里にあるパン屋『ソノマノ』の竹内 正和さん・俊子さんご夫婦との会話です。
今回が3回目、最終回になります。

第1巻
第2巻

ソノマノとは

長野市街地から車で30分。人口約2000人ほどの鬼無里地区で2008年よりパン焼きをスタート。
毎週水曜日と土曜日のみ店内のカフェスペースをオープンしている。
長野市や小川村(長野市の西隣)などの各所にパンの配達をしており、ヤマとカワ珈琲店もそのうちの1つ。
※ソノマノパンが売っているお店は下記のHPをチェック!

ソノマノ
住所:長野県長野市鬼無里日影419
店舗営業:水曜・土曜の11:0017:00
HP:http://www.sonomano.jp/
facebook:https://www.facebook.com/kinasasonomano/
instagram:https://www.instagram.com/sonomano.kinasa/

『ヤマとカワのコーヒーを選んだ理由は』

川下:そういえば僕たち、どこで知り合ったかっていうの、覚えてます?
俊子:小諸のツリーハウスプロジェクトだね。
川下:あ、そうでしたっけ。じゃあウチが開業してすぐに一緒になってるんですね。そのあとは善行寺びんずる市…なのかな
俊子:私はねえ、まだヤマとカワがカフェやってる時に友達と一回行ってるんだよ。その友達から「路地裏にお兄ちゃんが一人でやってるすごい可愛い店があるんだよ」って聞いてて。で、その友達と打ち合わせするってなったときに、じゃあヤマとカワ行きたいって言って、一回行ったなあ。
川下:え、ほんとっすか?うちでコーヒー飲んでもらったことあるんですか?
俊子:飲んだ飲んだ。うん。
川下:そのとき、喋ってないですよね?
俊子:喋ってないと思う。びんずる市とかで会う前とかかな。
川下:じゃあ、そのあとびんずる市とかでも飲んでもらって、それでカフェオープンする前に、
俊子:相談しに行ったんだよね。色々ね。教えてーって。
川下:そうですよね。そのときになんでうちは選んでいただけたんでしょう?

俊子:理由はいろいろあるんだけど、ヤマとカワのコーヒーを飲んだとき、飲んだあとも満足感がつづくというか、飲みごたえがあるなって感じたんだよね。昔に少しだけマクロビを学んだ時があって、そのときに「素材の味を活かす」ってことを知って。ブイヨンとかだしの素とかを使った味じゃなくて、素材の味といい塩だけで充分美味しいんだって。こんなにも後味がすっきりと美味しいことを知ったんだよね。ヤマとカワのコーヒーも後味がすごくいい!
川下:飲んだあとも余韻がつづくってのは目指してる味なので、めっちゃうれしいですね
俊子:あとは、店構えとか、古いものが好きそうだとか、ヤマとカワっていう名前の付け方とかさ。コーヒーの味だけじゃなくて、色んな部分でセンスが出てくるじゃん。で、話してみたら、大事にしてるところも似てるんじゃないかなーって。うちのパンは高いと思われるんだけど、基本は毎日食べるものであってほしいから、なるべく価格は抑えて買いやすい値段にしたいんだよね。コーヒーもカジュアルに毎日飲んでほしいってよく言ってるじゃん。そんなところに親近感を覚えて。
川下:本当ですか。うれしい。そうか、じゃあ総合的な部分で選んでもらえたんですね。じゃあコーヒーと一緒に食べるなら、ソノマノさんのオススメは何ですか?
俊子:やっぱり『ふすまクッキー』かな *ふすまクッキーに使ってる粉は数種類のふすまをブレンドして使ってて、それで複雑な味になってるんだけど、カフェで出してるブレンドKAIやブレンドSENNにも同じような複雑さや奥深さを感じるから、コレだ!って思った。
*ふすま=小麦やライ麦の皮の部分。お米でいう糠にあたるところ

川下:ふすまクッキーの素朴な味わいはどんなコーヒーにも合いますよね。ヤマとカワのお客さんもめっちゃ買ってくれてますよ。僕も家族みんなも好きですね。これからの寒い季節だと、ストーブの上で少し炙ってから食べたらまた美味しいんですよね。カフェではお客さんはどんな時にコーヒーを頼まれていますか?
俊子:ここは食後のコーヒーが多いんだよね。ランチに来る人は大抵食後にカフェオレかコーヒー。
川下:(メニューを見ながら)っていうか、安いな!
俊子:まじ?
川下:安くないっすか?1杯〇〇〇円ってめっちゃ安くないすか?
俊子:本当?でもさ、食後だとそれがもっとお得になっちゃうの(笑)。ランチの後とかだと。
川下:え、安!しかもネルドリップでやるんでしょ?
俊子:もちろん。

川下:めちゃ安くないですか?その値段だと逆にマシンでポチってやってんのかなって思っちゃうかもしれないです
俊子:じゃあネルドリップってやっぱり書くか(笑)でもね、そんなポチってやるやつとかはすぐ提供できるじゃない?うちは注文しても全然出てこないから(笑)
川下:注文ちゃんと通ってるかな、、、?って(笑)でも、安いなあ。
正和:こういう場所だからね。あんまり高いのもねぇ
俊子:観光客相手じゃないからね。地元の人も来てくれるし、そこで高いのはそれは外向きだねってなっちゃう。
川下:なるほどなぁ。そのへんもしっかりコンセプトと言うか、ずれないんだなあ、やっぱり。値段って難しいですよね。
俊子:値段ね、そうなんだよね。

『鬼無里の土間として』

川下:今後の展望とかは、どんな感じですか?今はソノマノを始めて10年経ったじゃないですか。ここから5年後、10年後をどうお考えですか。
正和:あんまり考えたことはないんだけど。カフェスペースを広げたいなっていうのとか、外席を作りたいなとかはあるね。

川下:それはじゃあ、ここにたくさん人が来てもらえるようにするってこと?
正和:今はコロナだから、それが収まればね。来てもらっても店に入れない日とかがあったりね。もちろんそう日ばっかりではないけど。
川下:うんうん、そういうパターンもありますよね。
正和:ここはそんなに眺望がいい場所ではないんだけど、厨房側に戸隠山が見えたりするんだよね。
川下:じゃあ厨房側に外席を作るっていうこと?
正和:うん、作るんだったらそっち側に作って、夏だけツリーハウス的な感じでオープンするとか
川下:それめっちゃいいなあ
俊子:え、うちの話?また夢の話?(笑)
正和:構想、構想。まぁせいぜいそれくらいだろうけど。あとは地域でもう少し何かできればね。例えば下の空き家をなんとかして、宿泊できるようにとか。それは僕らが運営すっるてわけじゃないよ。誰かがそんなことをできるサポートみたいなことができればいいな。
俊子:一緒に色々さ、やってくれたりするといいよね。
正和:おもしろいことをね。
俊子:楽しいことをみんなで色々考えてやってみようよっていう感じで、地元の人も動き出していったらいいなって。その足がかりを私たちが作ったりして、その先みんなで乗ってきてもらえたらいいんだけど。
正和:ここで暮らす楽しみの一つになれば、いいよね。
俊子:みんなどこか諦めてるんだよね。あれもできない、これもできないみたいな。だったら、じゃあ(地域から)外に出ようとかっていう発想になってしまうじゃない。でも鬼無里で出来ることってもっといっぱいあるんじゃないっていうこととか、もっとああなったらいいよね!って夢を描けばいいし、それをみんなでやってみれたらいいし。全然できると思うんだよね。
川下:それは外から来たお二人だから感じることなのかもしれませんね。でもここにカフェスペースを作ったっていう点で、二人が言うなら頑張るか、みたいに徐々になってきてる雰囲気もありそうだし。
俊子:仕事の合間に一人でご飯食べに来てくれたりするお客さんが、「鬼無里にこんな場所ができるなんて、夢みたいだよ。」とか言ってくれたり。職場から離れて、ホッと一人でコーヒー飲んで喋って、すると「また頑張ろっ!」とか、「元気になる!」って最近よく言われるの。
川下:あー、それは嬉しいですね
俊子:うん、思わぬ反応ですごく嬉しい!大したことは何もしてない、本当に大したことはしてないんだけど、そう言ってもらえるとこの場所があるだけでいいのかな、とか。
川下:いいですね。そういう感覚って都会にいるとあんまり感じないですよね。店も人も多いし、地域のためにっていう感覚はやっぱりちょっと他人ごとになっちゃいますよね。
俊子:そうだと思う。東京の時はそうだった。今は子どもも増えてほしいし、学校もなくなってほしくないっていうのを思うと、やっぱり暮らしているみんなが楽しんでいたいなって思う。
川下:そうですよね。呼び込まないといけないですしね、
俊子:そうそう。だからもっとみんな気軽に来てほしい!!
川下:山登りイベントとか、『鬼土間』とかも企画に携わってますもんね

竹内夫婦が携わっている『鬼土間』。鬼無里中学校の使われなくなった旧特別教室棟を中心とした施設の利活用プロジェクト
画像提供元:ソノマノ

俊子:昔はここで起業したい人とか、田舎に来ればそこで何か始めなければ生きていけないみたいな、田舎への移住ってハードルが高かったかもしれないんだけど。でも今はコロナでこうやっていろんな人がリモートで今の仕事を抱えたまま違う場所に住むことができるようになって、会社員のまま田舎で薪ストーブで暮らすことができて。地域のエネルギーを使って地域の食材を食べて生活するってことがグッと現実的になったよね。その感覚がみんなに溢れてきたりするといい。
川下:実際そういう移住考えている人とかに相談されたりするんですか?
俊子:移住考えている人はここには来るよね。ちょっとした相談所のような(笑)
川下:でも、ここはそういう場所にできますよね。お二人とも移住ですしね。
俊子:そうそう、お役所に行くのとはちょっと違う感覚で聞ける。聞きやすいじゃない?移住した人にだと。
正和:これからは鬼土間をそういう場所にしようと。
俊子:そういうの知りたいならあの人の所に行くといいよとか。地域の人と移住を希望してる人を繋げられる場所にしたいなっていう。だから土間なの。土間って中でもない、外でもない、靴のまま入ってこれる家の中。そういう繋がる場所なんだよね。だから、鬼無里の土間であってほしいっていう気持ち。
川下:『鬼土間』ってインパクトあっていい名前ですよね。いやぁ色んなお話が聞けてとても良い時間でした。正和さん、俊子さん、ありがとうございました!


photo:古厩 志帆