【意外とアリなのかも?!】原理を理解すれば使える!『コーヒーをお湯で割る』抽出方法について

「コーヒーの抽出がうまくなりたいー!」

と思ったら、抽出過程でコーヒーの成分がどんな風に出ているのかを理解する必要があります。

今回はそれを理解するために、『コーヒーをお湯で割る』ということについて考えてみます。

 

 

「えー、コーヒーをお湯で割るなんて、邪道でしょ!」

 

と、お考えかもしれませんが、実はこれ、”コーヒーの成分がどんな風に出ているのか”という原理が理解できると、全然アリなことなんです!!

 

コーヒーをお湯で割ると、完成したコーヒーはとても後味スッキリの飲みやすいコーヒーになります。

 

それでは、順番に解説していきますね。

 

 

 

お湯で割るとは?

 

エスプレッソで抽出したコーヒーをお湯で割る『アメリカ―ノ』という飲み方がありますが、ここで言う『コーヒーをお湯で割る』も考え方はアメリカ―ノと一緒です。

ドリップし終わったコーヒーに、お好みの量のお湯を注ぐだけ。シンプルです。

 

 

コーヒーの抽出では、一気に全ての成分が抽出されるのではなく、その成分の出かたには順番があります。

 

酸味やうま味といった濃厚な成分は抽出過程の前半に出てしまい、後半には味の薄い雑味を含んだ成分が抽出されてしまいます。

 

突然ですが、それを証明するために、実験をしてみました。

 

じゃん!↓

 

こちらの写真は、コーヒー豆15グラムを使って150ccを抽出したコーヒーを、

最初の50ccを左のグラス、真ん中の50ccを中央のグラス、最後の50ccを右のグラスに分けた状態の写真です。

 

左のグラスが明らかに濃く見えますね。写真でも、濃度が全然違うことが分かります。

 

それでは見た目だけでなく、味も確認していきましょう。

 

 

まず1番左のグラスから、、、(ゴクリ)

うん、いつも飲んでるコーヒーよりも全然濃いです。
 
ですが、口の中がイガイガするような雑味はなく、苦味とコクの凝縮されたコーヒーです。

 

 

次に真ん中のグラスを、、、

もうこの時点でかなり濃度が薄いですね。
 
でもこれはこれでスッキリしてて好きです。まだ雑味はほとんど感じられません。

 

 

最後に1番右のグラスを、、、

これは、かなり濃度が薄く感じられます。コーヒーが薄いというより、お湯にコーヒーの香りが付いたという感じです。
 
お湯っぽいのに、雑味(渋み)があります。

 

 

このように、酸味やうま味といった濃厚な成分は抽出過程の前半に出てしまい、後半には雑味を含んだ成分が抽出されてしまいます。

 

つまり、コーヒーをお湯で割るとは、この前半部分の濃厚で美味しい成分のみを使い、あとはクリーンなお湯で割るという手法だったのです。

 

 

 

味がうすくなるんじゃ?

 

「でも、コーヒーをお湯で割ったら、味がうすくなるんじゃ、、、?」

と疑問に思いますよね?

 

 

でも、実際飲んでもらうと分かるのですが、これが全然薄くないんです!

 

それもそのはず。

抽出されたコーヒーの成分のうち、約98%は『水分』なんです。

 

<コーヒー抽出液100g中の成分>

水分 98.6g
炭水化物 0.7g
たんぱく質 0.2g
灰分 0.2g
カリウム、リンなどその他 0.3g

参考文献:七訂 日本食品標準成分表より

 

そんなほぼ水分で出来ているコーヒーなので、抽出をちょっと早めに止めてお湯で割った程度だと、味がうすくなることはないんですね。

 

 

 

デメリットはあるのか?

 

先ほどの実験では、150cc抽出したうちの100cc以降から雑味を感じるようになりました。

つまりは、前半の70%は『うま味がつまったコーヒー』で、後半の30%は『雑味を含んだコーヒー』と定義づけられました。

 

では、この後半の30%は不要なコーヒーなのでしょうか?

 

答えは、時と場合による、です。

 

前半部分がうまみ、後半部分が雑味と説明しましたが、雑味の中でも様々な成分があるし、コーヒーに入ったほうがいい雑味(それは『個性』と呼んだほうがいいか)もあります。

「これは雑味だね」「これは個性だね」と、どちらに感じるかは個人の好みにもよります。

 

また、カフェオレにする時は、この後半部分が入っていないとパンチの弱いカフェオレになってしまいます。

 

ガツンとした味を楽しみたい気分の時や、カフェオレにする時など、時と場合によっては『お湯で割る』抽出法は「なんかうすいコーヒーだなぁ」になってしまいますので注意が必要です。

 

 

 

飲み比べてみました

 

今回、同じ種類の豆を使って、通常のドリップで抽出したコーヒーと、お湯割りコーヒーの飲み比べをしてみました。

 

<飲み比べの条件>

◉使う豆はブラジル中深煎り 15グラム

◉抽出量は150cc

◉豆は中挽き

◉使うお湯は85℃

 

 

まずは①通常のドリップから

 

今回はカリタ式三つ穴ドリッパーにて抽出しました。

 

抽出の詳しい方法はこちらの記事を↓

こちらも参考に

 

 

 

そして次は、②お湯割りコーヒーを

 

途中までは通常のドリップと全く同じ方法で抽出し、

7分目まで入ったところで抽出をストップ。

残りをお湯で割ります。

 

お湯を注いだあと、しっかり混ぜるのがポイントです!

 

 

飲み比べてみます!

 

さぁ、同じブラジルで抽出したコーヒーを飲み比べてみます!

 

 

まずは、①通常のカリタ式で抽出したコーヒーから、、、(ゴクリ)

ブラジルらしいナッツ感のある甘味がしっかり感じられます。

香ばしいコクが飲んだ後にもしっかり感じられ、満足感の高いコーヒーです。 

 

 

次に、②お湯割りコーヒーをいただきます、、、

うん!一口目の印象が明るくクリーンで、甘味がとっても感じられます。
 
飲んだ後の余韻も充分ですが、ブラジルらしいナッツ感は少し弱いです。

 

以上のような結果になりました。

 

 

今回飲んだブラジルだとお湯割りの方が僕は好きですね。

ブラジルらしいナッツ感は弱くなりましたが、飲み口が明らかにクリーンで、ヤマとカワが目指す『まいにち飲めるコーヒー』に近いゴクゴク飲める満足感の高いコーヒーでした。

 

でも、深煎り系のしっかりした苦味を楽しみたい!って時だと、通常のドリップで淹れたコーヒーが良さそうですね。

 

 

 

まとめ

 

酸味やうま味といった濃厚な成分は抽出過程の前半に出て、抽出の後半には味の薄い雑味を含んだ成分が抽出される。

この原理を理解していれば、抽出を早めに切り上げて残りをお湯で割ることが邪道なんかでは無いことが分かります。

 

ただ、お湯割りコーヒーが絶対にオススメ!ということではなく、時と場合によっては通常のドリップが良い時もあります。

 

抽出の原理を理解して、使い分けることで、様々な状況でも対応できるようになりますよ!